完全に吉川英治文学新人賞の発表の日程を忘れていた。
3月2日の夕方、加藤さんが受賞したというツイートを見て、『そーいえば、そうだった。3月に発表だったや』と思い出した。
ちょうど今、会見をやっているということなので見に行き、他の受賞者の言葉や加藤さんの言葉を聞いてきた。
私は創作活動を行う中でよく情緒不安定になっていた。だからこそ、純粋に小説家である加藤さんをとてもとても尊敬している。
表現することが好きで、書くことが楽しいけれど、ちゃんとした小説を読んでこなかったことが私の中で物凄くコンプレックスになっていて、今もずっと自分の書く文章に自信がない。
そのせいで自分の中で整理がつくまでは、拗らせに拗らせまくった日々を過ごしてきた。
でも苦しみながらも結局私は書くことはやめなかった。どうやら私は、自分が思っていたよりも表現することが好きで、やめられなかったしやめたくなかった。どうしようもないぐらい好きで好きでしょうがなかった。だから私は今もずっと書き続けている。
そんな拗らせ人間だったからこそ、小説家として表立って書き続けている加藤さんを『スッゲー!!』と私は尊敬している。
加藤さんって簡単な人じゃない。『俺なんて』と思っている人で、下からの見方をしているところがある。でもその分、守りの強さがあり、地道に自分を磨いて上へと行ける人。安定的な真っ直ぐさがあると私はそう思っている。
そして加藤さんに対して1番すごいなぁと思っているのが、私には無い、書くことへの自信があるということ。それが私の加藤さんへの愛を深まらせる1つになっている。
私に無いものを加藤さんは持っていることがすごくすごく魅力的だし、私は拗らせまくって他の人の小説を読めなかったから、加藤さんは他の作家の小説を読む余裕があるのも理想的。
と、そう思っていたが、会見での話を聞き、やはり下からの見方をする加藤シゲアキで笑った。安定的な真っ直ぐさがあるけれど、加藤シゲアキの『俺はそんな簡単な人間ではないぞ!』って人間臭いところに親近感がわいた。
僕はジャニーズ事務所のタレントという立場で、小説を書いた時もそう言った話題で書かせてもらえたのかな、と思っております。
それはすごく光栄なことだったんですが、ある種コンプレックスみたいなところもあって、普通一般的な作家の方はおそらく新人賞などを受賞してから作家生活をスタートすると思うんですが、僕は横入りしたような感覚がずっとあって〜〜
とまずそこから入ったことに『おおおおお?』となった。
そのあとにも「書いてる間は苦しいことも辛いこともたくさんある」「まだ候補作を読んでない。冷静に読めない」「自分なんて。僕で大丈夫ですか」と言ってて、もうなんかとても愛おしかった。そういう気持ちってあるよね!って嬉しくなった。
だけど会見の中で加藤さんはハッキリと「プロという自覚を持って書いている」「小説はあくまで読者のためのものだと思っていますので、読者が楽しめる作品」とも言っていた。
それを聞いて『好きだなぁ』って気持ちが膨らんだ。強くてカッコいい。自信を持ち、前を向き、加藤さんの優しい姿勢や諦めない心に私は沸き立った。
だから私は加藤さんが好きなんだ。下からの見方をしつつも、ちゃんと信念や自分を持っていて強くある姿に、こっちまでやる気が満ち溢れる。
誰かのために書くってとても大変だしキツい。書いてるうちに色々とわからなくなるし、そんなの強くないとできない。でもそれをできる加藤さんって本当にすごい。めちゃくちゃすごい。
『何故加藤さんは書き続けるんだろう?』『何のために書いてるんだろう?』とは何度か考えたことはある。
きっと最初のスタートは、加藤シゲアキとしての存在意義。
ジャニーズという大きな組織や、NEWSというグループの中で、『書く』ということが加藤さんの強み。加藤さんにしか出来ない唯一無二。
ジャニーズという看板を背負いながら活動することは並大抵のことではないと思う。良いことも悪いこともきっとたくさんあると思う。だけどグループではなく個人で作家業を10年も続けているのは、やはりとてもすごいことだし、とてもカッコいいこと。
そして今の書き続ける原動力が色んな過程を経て、「優しさに恩返ししたい」だということに、聞いてるこっちが泣きそうになった。
この10年、色んな支えがあったからこそやってこれたんだろうな、と想像しただけで胸がいっぱいになった。
次の作品について
すごく緊張感を持って今後作家生活をスタートさせなきゃいけないなというところでワクワクしていますし恐ろしくも感じています。
1人の主人公の物語を、そして深いところ。何か触れたくても触れられないようなそういったテーマを頑張って掘り下げてみるというチャレンジしたいという思いはこのところ膨らんでいます。
と言っていた。
これを聞いた時『なんだっていいよ!加藤さんの書きたいものが見たいよ!』とそう思った。
ファンの甘々思考なのかもしれないけど、次の作品を楽しみに思う気持ちもあるが、正直加藤さんが生み出すものならどんなものだって好きだしなんだっていい。
歌って踊る日があって、お芝居する日があって、書く日がある、そんな加藤さんが書く物に最大限の意味がある。
だからなんだっていい。加藤シゲアキという人間を、小説を通して触れられるだけで嬉しい。
やっぱり加藤さんって面白い人。色んな面があって本当に魅力的。
だからこそただただ加藤シゲアキが好き。アイドルだとか作家だとかそういう囚われない概念の中に生きる加藤さんがすごく好き。
何か1つじゃなく、全部を大事にするのは大変だろうけど、楽しそうに挑む加藤さんはきっと今日も笑ってると思う。
それを想像すると、私まで笑ってしまうよ。
錦戸さんが言っていた「もっと頑張れ」がずっと私の中にあるからか、受賞を知った時、なんか物凄く報われた気がした。加藤さんは頑張ってるよ。すごくすごく頑張ってる。ありがとう。おめでとう。